備忘録小学校~1年3組~

日々にちょこっとプラスできたことシェアします。

【栞と嘘の季節】夏目漱石とは本当に相性が合わない

改めて言うと私は読書が趣味ではない。ただ、本当に読書が趣味の人はちょっとうらやましいと思っている。知識が豊富とかではない。本を読んでいるのってなんか私にはかっこよく見えるからだ。

「小説に関しては相性が確実にある」と前回言ったけれど、それは文体だけではないと考えている。

文体がクリアできただけでは、単に読み進めていくことが可能となるだけで、面白さとは全面的にリンクしない。

読んでいて面白いなと私が思える共通点は、文章から受け取った情報が頭の中で映像化できるかどうかだ。

場所にしろ、登場人物のキャラクターにろ、料理にしろ、匂いにしろ、文章から拾ったものを自己の経験上からイメージできたらなおよい。初めて見た景色なのに懐かしく感じるときの感覚にとても近いと思う。

 

そういう本に出合えた時はめちゃくちゃ幸せだ。一気に読み進められる。没入感がえげつない。

 

『本と鍵の季節』は私にとって久々にそんな1冊だった。(珈琲店タレーランの事件簿以来)

 

内容は軽めの推理小説に分類されるのだろうけれど、主人公は高二の男子で図書委員。同級生の図書委員とともにちょっとした謎に遭遇していくというものだ。基本は学校が舞台であり、図書室から話は広がっていく。

主人公が図書委員だからなのか文章のところどころの言葉遣いが絶妙で、本を読む人なら良く目にしそうだけど、日常は使わない表現がちりばめられているのも面白い。意味があやふやだったり、読めなかったりで私は調べてしまうけど、その手間もなんか楽しい。

 

私は図書委員でもなければ、もちろん謎を推理したこともない。ただただ同じ教育課程を過ごしたことがあるくらいしか共通項はないのだけれど、それだけで十分イメージできたのは、おそらくこんな高校生活してみたいという願望がどこかにあったんだろうと思う。そういうことに気づかせてくれる。

現実的には小説みたいなことは起きないし、実は小説みたいにきれいな世の中じゃないのだけれど、だからこそ小説はいいんだと思う。

 

自分がどこかに抱いていた願望なり、理想なりを誰かがきれいに表現してくれているものが小説なのかもしれない。

そんな本に偶然出会えると、読んでいる時間がとても気持ちがいい。ちょっとかっこいい時間を過ごせているみたいで優越感もある。(読書=not only 頭がいい but also カッコいい)

 

だから、教員になれたら「本は読んでみたほうがいいよ」って多分言うんだろうなーと思う。その時に紹介できる本がいろいろあると、児童に刺さる率も高くなるんだろう。

 

さぁー、近いうちに20年ぶりの夏目漱石にリベンジしてみるかー。

挫けそうな予感しかしない・・・

 

ではでは。

 

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